暗黒大陸と言われた流通業界も効率化が進み、ニトリやユニクロ等、製品製造から販売まで自社で担うSPA(製造小売業)と呼ばれる形態が衣料品を中心に増加しつつあります。
自社で製造して自社で販売することにより流通コストが抑えられ、効率よく安く販売が可能なこのSPAという形態をとれば代理店や商社などの中間業者は必要ないんじゃないかって気がします。
しかしパナソニックや日立等、日本の大手家電メーカーに直販店はほぼありません。これは実店舗だけでなくネット通販でも直販は殆どしません。
それは何故なのか?
今日は何故大手家電メーカーを初め、大手メーカーが量販店や中間業者を介して販売する理由を記事にしたいと思います。
大手家電メーカーが直販をしない理由
実店舗はもちろんネット通販さえも中間業者を介して販売する理由はすべて自社の利益確保のためです。
でも中間業者を介すことによって余計なお金掛かっているわけだから直販した方が利益でるんじゃない?って人は記事を読み進めると面白いかもしれませんw
理由その1 価格崩壊をさせないため
大手メーカーが中間業者を介さずに直販すると当然今よりもかなり安く販売することが出来ます。
例えばパナソニックが他社に価格で勝負しようと中間業者を介さずに直販したとします。
すると当然他社、例えば日立も中間業者を介さずに直販します。
そうなると価格はどんどん下がり、メーカーは利益を守ることが出来なくなります。
メーカーは中間業者と代理店契約を結ぶことで利益を確保しています。
代理店契約の契約内容はさまざまですが、例えばその分野の販売実績に応じて定価の50%で仕入れることが出来る契約といったような感じです。
代理店契約を結ぶと実績や戦略に応じて仕入れ価格が変動します。
そのためメーカーはたくさん売れるところ(例えば大手家電メーカーや通販ショップ)に薄利多売で利益を確保、それ以外のところは基本価格で利益を確保、といったやり方が出来るわけです。
その2 返品や保守対応などがめんどくさい
パナソニックや日立くらいの大手メーカーだと専用窓口があって故障の相談等も対応してくれますが法人向けの部材メーカーやニッチな商材のメーカーは問い合わせをすべて代理店に丸投げするところが殆どです。
窓口を設置している大手メーカーもアウトソーシングしているところが多いです。
商品を販売すると一分で数万の売り上げがありますが返品や修理対応等の雑務は手間が掛かるのにお金が貰えないことが殆ど。できればやりたくないのが購入後のアフターケアです。
その3 メリットがない
すでに量販店が集客を頑張っているため今更直販店を出店してもメリットがありませんよね。例え価格が安く出来ても他社メーカー品は置けないので品揃えも悪いし商品の比較も出来ない。
客にメリットがない店を出店するのは企業側にもメリットがありません。
デカイ会社ほど小回りが利きにくく新しく事業展開するのには膨大なコストが掛かります。一見効率よさそうなSPA(製造小売)でも金もかかるし回収も見込めない業種では非効率というわけですね。