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精神病患者の社会的入院の実態。早期退院は確信犯?

2014 5/27
精神病患者の社会的入院の実態。早期退院は確信犯?

珍しくtwitterのタイムラインに悪名名高きNHKのツイートがリツイートされていたので言及することに。

わけあって詳しいです。そしてタイトルの通り重い記事。

要約するとこうですね。

日本では、症状がよくなっているのに病院の他に居場所がなく、長期入院を続けざるを得ないという人たちがいる。「社会的入院」と呼ばれます。

先進諸国では、精神科の在院日数は平均20日程度。症状が落ち着くと、社会に戻り、
コミュニティーの一員として、普通に地域で働き暮らすことが当たり前となっています。

しかし―
日本では、精神科病院に入院してそのまま退院できず、1年以上の長期入院を続けている人が、20万人以上もいるのです。

私たちは、いま、40年もの長期入院を経てきた、ある男性を取材しています。

6月10日に放送するから見ろよオメーら。

目次

社会的入院の実態

私はわけあって社会的入院状況にある人を知っています。

無縁の人にはまさにあなたの知らない世界かも知れませんが精神病院では入院期間が10年以上の患者は珍しくありません。

そしてその平均年数はNHKの記事でも触れているように他の先進国と比べても10倍以上です。

参考:医学書院/週刊医学界新聞(第2864号 2010年01月25日)

精神病患者の多くが思春期~青年期にかけて発病しやすい統合失調症という病気で入院しています。

統合失調症は一昔前では発病したら終わりみたいに言われていたようですが最近は医療の発達と社会の理解により短期入院ですぐ社会復帰する場合がほとんどです。

しかし参考記事、医学書院のグラフを見ると一目瞭然ですが精神病患者は高齢になればなるほど長期入院率が高くなります。これは高齢になればなるほど病気が治りにくいというより治っても退院出来ない患者が高齢者に多いためです。

家族が拒否する

退院出来ないケースに家族が退院を拒否するケースがあります。非常に残酷で悲しい話ではありますが多分これが一番多いです。

高齢である人が長期入院してしまうとたとえ病気が完治したとしても社会復帰は非常に難しい。家族にとってはただのお荷物でしかなくなります。

これが例えば事故や病気での入院の場合どうでしょう。当然完治、もしくは退院できる状態になったら家族の元に帰るのが当然ですよね。治っているのにそのまま入院しているケースは稀で家族が拒否することなんて殆どないでしょう(実は割りとあるかもしれないが問題になるほどではない)。

しかしこれが精神病だと何故家族に拒否されるのか?

私は精神病患者の多くが生活保護受給者であることが原因だと考えます。

社会人一年目で一人暮らしで発病し、入院を余儀なくされる→家族が入院費を賄う余裕がないので生活保護という選択をする→長期入院→退院しても仕事に就けず自立が困難→再び入院。

というサイクルが多分そこらじゅうで起きています。

そして他の病気と違って精神病は家族や周囲の人に直接的な被害を与えることがよくあります。そのためたとえ家族でも一緒に暮らすのが辛いという現象が起きます。

生活保護×精神病

このダブルパンチが家族が拒否せざるを得ない状況を作り出しています。

病院も退院させたくない

一昔前に比べたら精神病はかなり理解されるようになり社会復帰する人も多いですが、まだまだ差別的な意見も多く、精神病患者は犯罪率が高いとか思っている人が多いのが実態です。

実質、ニュースで取り上げられるような犯罪まではいかなくても精神病が原因で迷惑行為や暴力事件に発展してしまうことは少なくないです。

それらの行為を一般的な人が行えばタダのバカな人、短気な人と思われるだけですが精神病院入院暦があったりするとすべて病気が原因と思われます。

退院直後、例えば近所トラブルで警察沙汰を起こした場合、直近で入院していた病院は責任を追及される可能性もあります。治ってねえのに外に出すなよ!アブねえなあ!ってね。

本人にとってもその方が良い

未来のある若者ならともかく中高年になると無理に退院させるより病院で入院している方が幸せだったりします。

酒を飲んだり病院から処方された薬を飲まずすぐに再発し、トラブルになったり世間では白い目で見られ余計に苦しむ。どんなに綺麗ごとを並べてもこれだけは動かし難い事実。

人気漫画、ブラックジャックによろしくでは、精神科を取材する記者が早期退院を促す精神科医、伊勢谷先生に対して(この場合故意犯罪という意味で)「確信犯だ」と批判するシーンがあります。これは精神病患者を早期退院させることで後に待ち受ける彼らの苦悩を知っているにも関わらず無視して退院させているという意味が多分込められています(作中では細かい説明がなかった)。

社会復帰出来る環境が必要

社会的入院が発生してしまうのは退院後の居場所がないこと、生活が出来ないことが原因です。

そのためまだまだ将来性のある若い人の場合は望めば社会復帰できるように様々な人が支援してくれます。地方自治体の社労士や医療ソーシャルワーカーさんとかね。

精神病院にはグループホーム等、社会復帰の準備をする施設が併設されているところもあります。

でも高齢者はなあ

正直コレばかりはどうしようもない(多分こんなまじめな記事でこんなこと書く人はいないだろう)。

例えば20年以上入院している高齢者を退院させるとなった場合、行き先は老人ホームになるでしょう。確かに社会的入院という異常な立場からは脱却できるもののこれじゃあ何も解決していない。

私は仕事で老人ホームに行くことが多いですが施設によって老人ホームは本当に御高齢の方が多くて喜寿(77歳)が若く感じるくらいです。

なので一般的に高齢者の分類に属する60過ぎってのは老人ホームに入るのはまだまだ早いわけで(一般的に65歳かららしい)ホントどうしたらいいんだろうねって感じです。

そんな彼らを受け入れる施設、コミュニティが整わないと社会的入院は減らないでしょうね。

この記事を書いた人

ブログ及びアフィリエイトアフィリエイト収入で生活してます。高知から千葉に移住しました。

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