何日か前に私のブログを読んだ人が奥さんの絵を見て、
「その腕じゃ食っていけない」
みたいな批判コメントをしてくれた人がいました。
こういう人って特に絵みたいなアーティストと呼ばれる業界に多そうなイメージなんだけど、アーティストじゃない私から言わせてもらうと、
ちょっと的外れ過ぎです。
絵で稼いでいきたい人がを毎日一生懸命練習して腕磨くことは大事だけど、正直世の中で絵を書いて稼いでいる人って「絵」を描いている人が一番解っていると思うけど「上手い人」ばかりじゃない。
例えば最近話題の「LINEスタンプ」とかも上位にいる人達はわずか3カ月で100万以上って人もいるみたいだけど、見てみてくださいよ。
上手い人いますか?
「流石にすごい!」
「この人にはどう頑張っても勝てる気がしない」
そんなふうに思えるクリエイターいませんよね。
おそらく多くのデザイナーやイラストレーターは、
「なんであんな下手な絵が売れるんだよ!」
って思ってるはずです。
だけどそう思っている人はきっと絵で稼ぐ方法を理解出来ないでしょうし、絵で飯を食うなんてことも出来ません。
私は「絵」で稼ぐ場合も、「音楽」で稼ぐ場合も「ブログ」で稼ぐ場合も大事なのはその技術ではなくマーケット感覚だと断言出来ます。
マーケット感覚とは何か?
著名ブロガーちきりんさんが今年2月に発売された著書に、「マーケット感覚を身につけよう」というモノがあります。
これね。
「マーケット感覚」という言葉はちきりんさんが生み出したモノかどうか知りませんが、この言葉は今日というか日頃から私がクリエイターと呼ばれる人達に伝えたい話にとてもマッチしている言葉なのでたくさん使わせてもらいますw
マーケット感覚とは激しく変化する時代の流れを読み解いて「これから何を学ぶべきか」、「何に価値が生まれるか」といったことを感覚的に見抜く力です。
下手な絵でも売れる理由
先ほどのLINEスタンプの話に戻りますが、一般人が自由に販売出来るクリエイターズスタンプのランキング上位にとてつもなく上手い絵の人はほとんどいません。
しかし売れます。
絵が上手いか下手かに拘る売れない絵描きさんの多くはこれが何故か理解できません。
答えは簡単。
購入する人が上手い絵なんて求めていないからです。
有名な画家が描いた美術館に飾られている絵画のような美しいLINEスタンプ、果たしてどれだけの人が欲しがるでしょうか。
LINEを使ったことがある人ならわかると思いますが、LINEはメッセージアプリと呼ばれるアプリで、その用途は人とのメッセージのやり取りです。
なのでLINEを使用する人は「了解!」や「ありがとう!」、「ごめんなさい!」といった場面でスタンプを使用します。
そのスタンプが可愛かったり、面白かったりすれば送られてきたLINEユーザーの中にそのスタンプが気に入る人が出てきて買ってくれる可能性が高まります。
美しく描かれた絵なんて一瞬良く見えても使いどころがありません。使われないスタンプは宣伝して多少売れたところですぐに頭打ちです。
素人だから余計にわかるんですが、絵に関して知識のない人に「絵が描ける人が言う上手い絵」なんてモノは解りません。
だからうちの奥さんの絵がたとえ「絵が描ける上手い人から見たら下手な絵」でも別に何も問題ないんです。だって「絵が描ける人」向けに売っているわけじゃないんですから。
※ちなみに絵が描ける人からもちゃんと評価はされています。
消費者を意識する大切さ
「絵の上手さ」に拘る人は自分が売れない理由は「自分の絵が下手だから」とは思っていません。
「消費者が自分の絵を理解出来ないから」と思っています。
この考え方は消費者を無視している他なりません。
「絵を描く人達」が言う上手い絵を描いても子どもには理解できないし私にも理解で来ません。そのためマーケットは「絵を描く人達」という狭い範囲に限られています。にも関わらず一般消費者に売ろうとする。
これは女子高生に「毛生え薬」を売っているようなもんです。だから売れないんです。
ちきりんさんの「マーケット感覚を身につけよう」の序盤にANAのライバルは何か?
という質問があります。
この質問に対して航空業者視点からすればJALや最近だとLCC等が上げられます。
しかし消費者視点で見れば例えば香川県から東京へ行く人は飛行機以外にもバスや電車、新幹線を利用する人もいる。すなわち交通手段すべてがライバルになりうることに気づけます。
さらに踏み込んで当事者視点で見ると、そこへ行かなければならない理由が見えてきます。例えば本社で会議があるための出張だった場合、仮にビデオ会議を導入すれば飛行機に乗らずに済みます。
消費者、利用者を意識することで「何が売れるか」、「何故売れないのか」、「どう売っていくべきか」が見えてきます。
「絵が上手い人達」はこの消費者視点でモノを考えることをしようとしません。
「なんであんな下手な絵が売れるんだろう」
「私の方が上手いはずなのに」
「あいつらは私の絵が理解出来ない」
とか言ってる前に自分が出来ることを分析してマッチングする消費者に向けて提供することを考えるべきです。
というわけでさらっとしか読んでないけどすべての現代人にオススメ。