仕事辞める!
と宣言しながらもダラダラ通ってる28歳男です。奥さんにはさっさと辞めろと毎日言われますw
土曜日はいつもなら休みなんですが月に一度会議という無駄な時間を浪費するイベントがあります。
その時に他の営業所の人の情報を共有するわけですが、今日は本当に唖然としたお話が聞けたのでみんな聞いてくださいw
そして出来れば拡散して欲しいと心から願っております。
官公庁の入札について
法人営業の経験があったり関係者の方なら知っていると思いますが、官公庁(国や地方自治体)が保有する施設(学校や市役所他、公共施設等)に必要な物品や工事を発注する際には入札制度という形を取ります。
入札ってオークションのイメージが強いですが、この場合の入札は簡単に説明すると以下の通り。
例えば学校がパソコンを購入することになった場合、入札公告というのが出ます。これは県のホームページには必ずあります。
※本件に岡山県は関係ありません
例えば学校がパソコンを100台調達するとしましょう。その場合以下のような入札公告が提示されます。
【仕様】
デスクトップパソコン、モニター○○インチ、CPU××以上、メモリ××以上・・・【納期】
平成○○年○月○日まで【入札日】
平成○○年○月○日【参加資格】
全省庁統一資格○級以上等・・・
仕様は基本的に入札公告に提示されていないことが多く、参加希望の業者が連絡して別途仕様書を受け取ることが多いです。
ちなみに入札は一般公開されていて入札参加資格を満たしていれば誰でも参加出来る一般入札と発注者から数社入札参加業者を指名する指名入札があります。指名入札は例えば機密性の高い保守業務や一般公募するメリットがない工事や保守業務等に多いです。
参加業者はその入札日に会場に赴き、定刻になると入札箱に金額を書いた入札書を投函します。
その中で一番安い金額を提示した業者に決定します。オークションじゃないので基本的に一発で決定します。
(場合によっては価格に最低価格が儲けれていてその金額以下を提示するとダメなこともあります)
私達が普段使っている学校や図書館、公園等を工事する業者はたった一枚の入札用紙で決定されているわけです。
そういう意味で建設業界は本当にバクチみたいな業界ですよね。たった一枚の紙で、一度の入札で数億円の受注があるかないか決まるわけですからw
仕様書はどう決まっているか
で、今日話したいのは仕様書の話。
発注者は自分達が欲しいモノ、調達したいものを業者から購入するために仕様書を作成します。
例えばパソコンなら、
1.デスクトップかノートパソコンか
2.画面のサイズ、本体のサイズ
3.OS、CPUの種類
4.HDD、メモリの容量
5.その他
等を指定します。
入札参加業者はそれを満たす製品を卸す金額を入札書に書くわけです。
じゃあその仕様ってどうやって決定されているの?ってことなんですが、基本的に官公庁で働く担当の人が決めています。
担当の人といっても入札の仕様決定係なんてモノがあるわけもなく、パソコン程度の物品だとその部門(学校なら教育委員会、保育園なら保育課、もしくは総務課)が決めます。
先日ビジネスホンを導入した際、市役所の保育課の担当の方とお話する機会があったんですがその時の入札の仕様書は自分で作ったと言っていました。
もちろんど素人ですよ。解るわけありません。なのでお役所の担当者は過去に実績があったりしてコネのある業者に仕様の相談を行うわけです。
そこで相談された業者は自分達が有利になるような仕様書を作られるように仕向けます。ここが営業担当の腕の見せ所です。仕様書を複雑にして自分達が安く仕入れられるメーカーのモノしか満たすことが出来ないように仕向けるわけです。
(入札は公平性を保つように仕様書にメーカー等の指定をしてはいけないようになっています。)
仕様で他のメーカーが参入することを防ぐことが出来るともうライバルはいなくなったも同然です。何故ならメーカーと打ち合わせして自分達の卸値を最安値にして貰えばいいだけですからね。
入札の現場ではこういうことが日常茶飯事に行われています。
唖然としたパソコンの仕様書
長くなってきましたが今日、別営業所の担当から聞いた驚きのパソコンの仕様書がこれ。
「マウスの端子はPS/2であること」
・・・これまじですよ。
PS/2ってのは昔主流だったマウス、キーボード特有の丸型の端子です。今はUSBが主流なので10代くらいの若い人は知らないかもしれません。
はあ?!
って思うでしょ?
そんなもん作ってるメーカーなんてほとんどないんですよw
確かにネットで探せば結構出てきます。まだまだ買えることに驚きです。しかしそれはあくまで周辺機器メーカーの話。
PS/2端子のマウスを作っているパソコンメーカーなんてほとんど聞いたことがありません。
なのでさらに仕様をこうすればメーカーは限定されます。
「本体、モニター他周辺機器はすべて同一メーカーとする」
おそらく現在、PS/2端子じゃないと出来ない等、USBのデメリットはありません。なので普通の事務用途で使うパソコンがUSBじゃだめな理由なんて皆無なんですよ。当たり前ですが。
クソくらえなBtoB
入札現場ではこういうことが日常的に起きています。問題にならないのが不思議ですね。
法人営業は如何にして利益率を高く受注するかがキモです。入札ではなるべく価格競争にならないように発注者の担当とコネを作り仕様で縛る。これが営業成績に繋がり評価されます。
まじキモイですから…w
だからお前ら前に進めないんだよ!
っていつも思います。私はいくら金のためでも人の生活を劣化させる商品なんて売りたくありません。
世間ではiPhoneとbluetooth機能があるオーディオ機器で音楽を聞いていますが学校を含め多くの法人では未だにCDとカセットを使います。
しかもCDプレーヤーがラックに入るというだけでこれくらいします。
バカじゃえねの?
って思います。
こういうのを見ると日本って本当にダメな気がしますね。
お客さんにとってより良い製品、より豊かになる製品を提供することなんか全く考えておらず、如何に高い利益率で売ることしか考えていません。
もちろんすべてとは言いません。特にベンチャー系はそのふざけた慣習を破壊したい気持ちでいっぱいだと思います。
が、そのふざけた慣習を変えるのは難しいです。業界自体が変わることを拒否しているわけですから。お客さんを含めてね。
新卒採用の面接をしていると、皆さんいつかはサービス作りたいと言います。けれどもこのとき、BtoBはどれだけ慣習と戦わなければならないか、CtoCは便利さよりも背後に生まれるコミュニケーションがいかに重要かなど、気にも留めていません。社会に出るということは裏を知るということですねw
— 柳澤安慶(二丁目ではヤナティ) (@ankeiy) 2015, 5月 12
これはファンコミュニケーション社長、ヤナティさんのツイート。BtoBは慣習との戦いです。それを崩壊させるのが若い世代の仕事ではないかと思っています。