ウェブで文章を書く仕事をしているとウェブサイト以外にも、何気なく読んだ書籍や参考書等に書かれている文章の構成や特徴なんかが気になったりします。
本業では普通にサラリーマンやってるわけなんですが、この前お役所さんの誓約書をじっくり読む必要があってふと思ったんですよね。
「なんでこういう契約書とか誓約書ってこんなに読みにくいんだろう?」
ってね。
あえて難しく書いて読む気をなくさそうという魂胆なのではないかと思うくらいに読みにくい。
見覚えありません?
携帯電話やインターネットの契約書とか保険の契約書なんかもそう。じっくり読んでも頭に入ってこないですよね。
あれ、実はちゃんと理由があります。あえて難しく書いて読み飛ばさせようとかじゃないですよ。もしかしたらそういう業者もあるかもしれませんがね。
何故契約書は読みにくいの?
契約書が読みにくい理由は二つあってまず一つは、
「人によって解釈が違ってしまうことを避けるため」
です。
例えば私が仕事でよく見る契約書に
「108分の100を契約金額とする」
という文言があります。
これ分かりやすく書くと「税抜き価格」なんですよ。
税抜き価格って書けば誰でもすぐにピンと来るけどわざわざ分数とか使って表記して読みにくいったらありゃしない。
だけど「税抜き価格」と書いてしまうと8%なのか、消費税(国税)の6.3%なのか人によって受け取り方が変わる恐れがあります。消費税は変動するので増税の境目だと特に分からなくなりますからね。
だから分かりにくいけど誰がどのように解釈しても他にない、唯一無二の事項を伝える手法としてこのような分かりにくい表現を使います。
「単価○○円に△△を乗じた金額」
「掛けた」だと間違った解釈をされる恐れがあるので「乗法=掛け算」という意味でこのような普段日常的に絶対使われないような言葉を使います。
だから読みにくい。
もう一つは、
「抜け目がないようにするため」
です。
これによりだらだら長々と数ページにも及ぶ契約書が出来あがります。作っている人はエライですね。
「ただし、○○による被害は除く」
「この限りではない」
「約束するものではない」
「明記されていない事項について質疑があれば速やかに報告・・・」
等々・・・
賃貸契約や携帯電話、保険のような長期的にお金を払う契約については特に細かい取り決めが多いため抜かりがないようにとても長い契約書が必要なわけです。
誰が見ても分かるように明記されていて抜け目のない契約書の力は強いです。適当に読み飛ばして判子捺したら後から何を言っても覆すのは困難です。
読みにくくてめんどくさいけど毎月長期的にお金を払う契約についてはちゃんと読みましょう。