Gunosyで気になった話題について気になったので。わけあって多少詳しいです
厚生労働省は29日、生活保護受給世帯の高校生のアルバイト収入について、保護費の減額につなげず、貯金することを積極的に認める方針を固めた。生活保護受給世帯の子どもが成人後も困窮から抜け出せない「貧困の連鎖」を断ち切るのが目的だ。同省は4月1日付で都道府県などに事務次官通知を出す。
記事冒頭抜粋
これまで生活保護の世帯にいる高校生はアルバイトで収入を得ると生活保護の減額対象になっていました。厳密には地方によって変わってくると思いますが3万以上稼ぐとそれ以上の給料分がカットされるイメージ。
今回の改定はそれだと自立が困難になるので辞めましょうってことですね。
生活保護世帯の高校生の現状
実は生活保護で高校の学費が給付されるようになったのは約10年ほど前。それまでは高校の学費が出ず、生活費もギリギリのため子どもを高校に通わせるには奨学金に頼るしかありませんでした。
現在日本の高校進学率は95%以上で現在ほぼ100%に近く、その中に生活保護世帯の子どもも当然含まれます。
生活保護制度は「健康で文化的な最低限度の生活を保障するための制度」ということ。
ほぼ100%高校に進学するようになった現代では公立高校の学費が文化的な最低限度を保障するための費用とみなされているということですね。
大学へ進学する場合
現在のところ、高校の学費は給付されますが大学、専門学校の学費は給付されません。
そのため高校生が進学という道を選んだ場合自分で働いて払うか奨学金に頼るしか方法はありません(特待生等の授業料免除を除く)。
しかしこれまでは生活保護世帯に属していた場合、アルバイトで働いた分は3万しか手元に残らないため、満足に貯金ができるほどの収入を得られる方法はありませんでした。
つまり実質生活保護受給者の子どもは進学したければ借金しなさいということ。大学進学率は1990年前後は40%程度で大きく半数を下回っていたんですが近年では約55%と過半数の生徒が進学しています。
進学する生徒が少数派だった時代ならともかく、半数以上進学するようになった現代、生活保護世帯の学生が大学に進学する手段が借金しかないというのはおかしい!
今回の取り組みの経緯はこんなところでしょうか。
バイト代貯金の狙い
今回バイト代貯金を認めたのは子どもの自立。
実は生活保護世帯の子どもは大人になっても生活保護受給者になりやすいと言われています。
原因としては「進学できず就職が困難」、「貯金が出来ないので仕事のある都市部へ引っ越すことが出来ない」、「仕事がないからといって寄生できない」などが上げられます。
例えば仕事のない地方では職を求めて県外に移住したりしますがそのためにはある程度纏まったお金が必要になります。
卒業後就職できず、フリーターとなって実家にパラサイトする若者は多いですが生活保護世帯と同居すると当然生活保護世帯の中の一人となります。
学生時代に貯金ができるようになることで生活保護世帯の子どもが将来生活保護を受けなくて済むというのが狙いでしょうね。
改定後どうなる?
まあほとんどがロクなことに使われないだろうなって印象。
私の知る範囲では生活保護受けてる人ってほとんどの人が新聞読まなくてネットもしない、情報源はテレビだけって人が多いです。
そのためこの改定の話も知らなくてその子どもも当然知らない。その前に生活保護で育った子どもが勉強して大学行きたい!ってなること自体稀だと思ってます。
バイト代はパチンコ代に消える
子どものバイト代が稼いだ分生活費も増えるわけですから当然遣えるお金も増えます。もともと生活保護の給付額は結構余裕があってパチンコで数万スっても食べていくことは出来ます。
だからパチンコばっかり行ってるやつって結構いるわけですね。今回増えた分生活保護受給者のパチンコに行く回数が増えるんじゃないかと思っています。
それでも一人の役に立てればいい
生活保護の家庭で育った子どもが奨学金で大学に進学したケースもあるでしょう。
実は生活保護世帯にいると卒業後働いても貯金をすることは出来ません。
親も子どもも進学を望んでいて、だけどお金借りるしか進学する方法がないってホントおかしいよねって思います(授業料免除を除く)
生活保護のお金は正しく使って欲しいですねえ。