たまたまだけどここ最近立て続けに携帯電話ネタの記事を読んだので書きたくなった。
まずは今と10年前の携帯メーカーのシェアを見比べてみましょう。
下は2014年度上半期の国内の携帯電話(スマホ、ガラケー含む)の出荷シェア。
2014年度上期 国内携帯電話端末出荷概況 – 株式会社 MM総研
iphoneの人気は相変わらず。それでも韓国のサムソンを抑えて国内メーカーの比率が多いのはおそらく法人顧客のシェアによるものだと思います。特に京セラなんか社給ケータイ以外でほどんど見たことない。
続いては今から10年前、私がドコモの504iシリーズを使っていた頃のシェア。
こちらの方が体感的に(世代の人なら)「あーそうそう」って思えるよね。当時はNECとパナソニックがトップ争いをしていました。この頃くらいから写メールも一般的になり始め、その筆頭だったシャープも人気が高かった。
現在はNECもパナソニックも一般顧客向けのスマホは撤退してます。もうどちらも「スマホ作ってたの?」って言われそうなレベル。ちなみに法人向けモデルはまだ頑張って作ってます。だけどレベルは相変わらず。
何故こんなことに?
credit: kardboard604 via FindCC
ここ10年で最も「日本オワタな」と思ったことは携帯メーカーの衰退です。私の中で。
これまで日本人って手先が器用だからモノづくりが得意で、特に小さいモノを作るのが得意で小型化、軽量化に定評があったわけですよ。
だから日本の電化製品って海外でも評価されていたし信用も高かった。
携帯以外はね。
国内でしか売ろうとしなかったらしいが
日本は輸出大国と呼ばれ車はもちろん家電製品なんかもどんどん海外に輸出していました。いや今もしてるか。一昔前の映画なんか見るとわかるけどアメリカ人が使っているパソコンが東芝だったりソニーだったりするし、壊れにくくて信頼性のあるメイドインジャパンは世界的にも評価されていたと思います。
だけど携帯電話だけは海外で勝負しようとしなかったんだよね。
下の画像は2005年の国内と海外のシェアの比較。これを見てわかる通りソニーを除く日本メーカーは昔から国内でしか勝負していなかった。
元々人口が日本の3分の1ほどしかいなかった韓国メーカーはこの頃から世界に向けて携帯を出荷していた。私達にとってはサムスンはスマホメーカーだけど世界的にみれば古くからの携帯メーカーだったわけなんですねえ。
良い製品を作る気がなかった国内メーカー
当時の日本メーカーは国内で少しでも高い携帯を売ることしか考えていませんでした。
海外メーカーが入ってこない(当時は簡単に参入できなかった)、必需品なので必ず売れる、キャリアの戦略で2年に1回皆買う、通信とセット販売して価格競争をさせない等々・・・
とにかくありとあらゆる方法を使って消費者から絞り出すことしか考えていなかった。
だからユーザーが使いやすい携帯、便利な携帯なんか作る気は更々なく、とにかく高価な携帯、適当に性能上げて皆が欲しがりそうな携帯を作ることに注力を注ぎました。
その結果がこれ(※下画像)。2008年にパナソニックから発売された携帯。ちなみに同年夏にiphone3G、翌年には日本でも大ヒットしたiPhone3GSが発売された。
誰がいるんだよこんなもんw と突っ込まずにはいられない。
まず当時の携帯にはワンセグが必ずと言っていいほどついていたけどその頃から一般家庭にはインターネットが繋がっていてもうすでに若者のテレビ離れは始まっていた。私もほとんど見ることもなかったしワンセグを使うこともなかった。
そもそも若者だろうが高齢者だろうが外出時にテレビを観る機会なんてほとんどなく、量販店のポータブルテレビ売り場を見てわかる通り市場は限られています。全部につけてどうするんだよって話。
着うたなんてのもあったけどあれは本当にバカとしか思えなかった。着メロだった時はまだ良かったけど着うたは恥ずかしいだろと思ってやらなかった。だけどそのまま着メロを使い続けるのも古臭くて恥ずかしいと思って結局デフォルトにしていました。若いクセにと思うけどそれほどに着うたはねえだろと思っていた。すぐ沈下するだろうと思っていたらやっぱり今は誰もやってない。
当時とにかくクソみたいな機能が多くて初めて持ったドコモの503iシリーズから「よくなった」と思ったところはほとんど見当たらなかった。一つだけあるとすればiモードを離脱してフルブラウザ化が始まってきたところ。この辺りからiモード消滅しろとか思っていたなあ。
「携帯でパソコン同様に使用できればなあ」
ってよく思ってました。それを叶えてくれたのがスマホだったってわけ。そりゃ売れるよね。
結局電話とメールとSNSが出来たらいいのにどのメーカーの機種にも不必要な機能が付きまくっていてしかもスゲーもっさりで使いにくい。そのクセに6万とかしていたわけだからホントゴミでした。この時代のケータイメーカーは。
もっさりさえ解消していれば
未だに謎なんですがなんであの当時の携帯電話はあんなにもっさりしていたんだろうね。10年前のガラケーって本当にもっさりがピークでカメラ開くのに最短でも3秒くらい掛っていたんですよ。今のiphoneとかキーロック掛けていなければ1秒とか掛らないじゃないですか。
スマホに変えてから動作が軽くなって写真撮るようになった人って多分多いと思うんですよ。私もそうですし友人もそう話していました。
メールなんかもスゲー重くて使いもんにならなかったんです。まだ着うたなんてものがなかった時代の携帯は単機能な分その辺りは早かったんですよ。保存しているデータ量が少ないからすぐに取り出せていたわけ。
新しい機種に乗り換える度にがっくりしていたのを今でも覚えてます。「なんで無駄にカメラの画素数上がるのにもっさりは直らないんだよ」ってね。
携帯電話に限らずデジタル機器の動作は早いに越したことないんですよ。当時のガラケーにウンザリしていなければ私ももう少し国内に期待していたと思います。まあ後の祭りですが。巻き返しは不可能ですねえ。
とまあ長々と愚痴になっちゃいましたので今日はこの辺でw