スーパーに陳列されている商品は、従業員の手によってすでに並べられている商品を手前に陳列し、新しく入荷したものを奥に陳列する。
入荷したものを手前からどんどん陳列するほうが早いんだけど、それだと奥にある商品が売れないまま残ってしまい、賞味期限を迎えるからね。
そんな従業員の努力も虚しく消費者の多くは豆腐をわざわざ奥の方から取る。ナゼだろう?
加工食品の多くには防腐加工が施されていて、スーパーに届く時点で鮮度なんてものはない。野菜や魚などの生鮮食料品は鮮度が重要で、たとえスーパーでも鮮度の良い商品を選ぶことは重要だ。
だけど豆腐みたいな加工された食品は一日二日入荷日が違っても味や風味が落ちることなんてまずない。作りたてとかなら違うかもしれないけどね。
だから意味ないんすよ。奥から新しいモノ取ったって変わらない。
え?そうじゃない?
わかってますよ。賞味期限すよね。
賞味期限が一日でも長いやつのほうがいいんだよね。わかるよその気持ち。
賞味期限の真実
たとえば今日が2月7日だからそうだね。一週間後の2月14日に賞味期限を迎える商品と、昨日入荷して売れ残っている2月13日に切れる商品があるとしよう。
この場合、前者の豆腐に対して後者は1日寿命が短く損した気分になる。
だけど私が言いたいのは、
「そんな先まで献立計画してるのか?」
ってこと。
スーパーに週一回しか行かないって決めている人は、今日から一週間後の14日に豆腐を使うからそれまで賞味期限がある商品を選ぶって気持ちもわかる。
だけどおそらくほとんどの人が今日買う豆腐は今日か明日、2、3日以内に使う予定でいる。
じゅあ別に腰を痛めてまで奥の商品取る意味ないじゃん・・・
え?全部は使い切らないかもしれない?
確かに豆腐一丁一度で全部使わないってことあるよね。特に半丁しかいらないとか一丁半とかね。
だけどね。
賞味期限って開封したら意味ないんすよ!
例えば一週間後の14日。
賞味期限の豆腐を明日半丁使った場合、残り半分の賞味期限は14日じゃないんです(いや多分普通の主婦なら知らない人いないと思うけど)。
防腐加工のされた食品って開封して空気と接した場合、腐食がどんどん進んで腐りやすくなる。
よく牛乳パックに「開封後は賞味期限に関わらずお早めに…)って書いてあるのはそのため。一度開封してしまった商品の品質は保証できないってことです。
なので一度開けた商品が賞味期限内に腐ったからといってクレーム出しても通用しません。当たり前ですけどね。
未開封の賞味期限切れと開封後の明日
生鮮食料品ならともかく賞味期限が一週間くらいある豆腐等の加工食品は多少賞味期限が切れても腐りません。私はスーパーで長く働いていたけど賞味期限切れで腐った商品を見たことがありません(賞味期限が1~3日くらいしかない無殺菌製品等を除く)。
季節にもよるけどたぶん3日くらいなら大丈夫です。
しかし一度開封した商品を冷蔵庫で3日置いておくと腐ることが結構あります。
つまり2月14日賞味期限の製品で、未開封のまま3日賞味期限切れした製品より、購入して次の日に開封して3日保存した製品のほうが腐っている可能性は高いです。
なので無理して奥から一日賞味期限が長い商品を取ることよりも、開封後早く使うことのほうがはるかに重要。これ常識ね。
ブラック消費者がブラック企業を生む
と、ここまで述べてもやっぱり一日賞味期限が短い商品を同じ値段で買うのはなんか損した気分になるかも知れません。
しかし私達がそうすることによって確実に販売店であるスーパーに負担が掛かります。
多くの消費者に奥から新しい商品を取られるので古いものが売れず値引きシール貼ったり、場合によっては廃棄したり…
無駄な労力と無駄な食品廃棄が行われているわけです。
自分だけが…とか思わないで少しでも社会をよくしたいと思うならどうか奥から豆腐を取り出すことをやめてあげてください。
私達消費者が変われば、供給側であるスーパーもまた別のサービスに力を注ぐことができます。そうなれば利用する人にとっても大きなメリットがあるはずです。
豊かな社会ってそうやってつくられるんじゃないかなと。