自称オタキング(オタクの王)こと岡田斗司夫さんが珍しくスゲーためになることを話してたので書き起こすことに。
2013年の正月でちょっと古いけど、岡田斗司夫さんの話ってスゲー面白いからまあ聞いてみてください。終盤に今日のブログの内容の話がちょこっとあります。
動画の岡田斗司夫ゼミはニコ生でかなりフリーダムにやってるけどたまに視聴者からのコメント、質問に答えていてこの回、その中の一つに、
「批評ってどうやってやるの?」
ってのがあってね。で、その質問の回答を美大とかでも講義をしている岡田さんが話していて、スゲー勉強になったわけですよ。
批評には5つの視点がある
先にまとめると、1つ目は作者の視点、2つ目は読者、3つ目は研究家としての視点、4つ目は信者、ファンとしての視点、最後の5つ目は経済効果、ビジネス的な視点があります。
これら5つの視点を意識して自分の得意なモノや主張したいところを取り入れて批評すると高級感が増す。
らしいです。
順番に見て行きましょう。
作者の視点
作者はそれぞれ自分の伝えたいこと、書きたいことを紙とペンで表現しています。
だけどどんな漫画家でも自分の伝えたいこと、書きたいことを漫画に100%書き起こすことは不可能。漫画だと色は白と黒だし、ページ制限や締め切りもある。画力が足らないこともあるだろう。
動画では漫画家の話をしていますが何でも同じことが言えます。自分の気持ちを文字で表現するエッセイだって作者の伝えたいことと読者が感じた内容が必ず一致するとも限らない。
作者はこう思って描いたのではないだろうか?
本当はこういうことを伝えたかったのではないか?
前作ヒットのプレッシャーがあった?
のような作者側の視点で批評すると何かプロっぽいです。
読者の視点
まあ私達が普段日常会話でしているような、「あれは面白かった」とか、「ラストのインパクトが欠けていたよねえ」みたいな読んだ後、観た後の率直な感想ですね。
もちろん重要な部分ではあるけど下手な人の書評ってココしかないので別に面白くもなんともない。
ココにプラスして別の視点があるとかなり面白くなります。
研究者としての視点
他の作品と比較して「何故これほどまでに人気が出たのか?」、「コレまでになかった表現」のようなまあオタクが得意とする見方なのかもしれません。
動画の中では『少女マンガに「愛」という単語がいつから多く使われるようになったのか?』という話をしていますがその答えを出すのは膨大な量の少女マンガの研究と思考錯誤が必要です。かなり大変。
エヴァを研究者の視点から批評するならたくさんのロボットアニメと比較して「エヴァは他のロボットアニメと何が違うのか?」っていう批評の仕方が必要。
やっぱりかなりオタク向け?
ファン、信者としての視点
客観的な批評よりも個人的な率直な意見って結構面白かったりします。
これスゲー面白いから観てみて!
俺別にこういうの興味ないんだけどあの人が書いた本だから買ってみたらやっぱすごくてさー!
まあとにかく読んでみろよー!
そこまで言うなら試しに見てみようかなって気になりますよね。
ファンだから言える、信者だから感じる視点も大事です。
悪評だけど私は好きだから彼(作者)がこうした気持ち分かる!ってね。
ビジネス視点
例えば今の旬の『妖怪ウォッチ』は子どもにすごい人気でグッズもすぐに完売。しかしその影響で転売目的で買い占める大人が多く、社会問題となっている。
のような経済やビジネス観点での批評も面白いですよね。
ホリエモンの『ゼロ』が大ヒットしたのはネットのソーシャルの影響が大きいし営業活動もかなり行っていた。
本の中身には直接的には関係ないけどそのコンテンツの批評であることに違いはないです。
その後のメディアミックスの予想とかそういうのを考えてる人ってなんとなく先見性を感じる。
まとめ
当然この5つ全部取り入れて上手くまとめるのは難しいし、批評ってやっぱり自分が思ったこと、感じたことを書くものだから自分の得意なやつでまとめるといいと思います。
普段書いている「読者の視点」にプラス1つ何か別の視点を取り入れるだけでかなり高級感が増します。
話変わるけど宮崎駿の『風立ちぬ』って映画、主役のジロー君役が庵野秀明って適役だよね。前に駿が声優使わないのはあの声優らしい上手い声、カワイイ声が嫌だって言ってたのを思い出したよ。
庵野秀明のあの棒読み感が、感情があるのかないのかよくわからないジロー君を上手く演じていたと思う。あれはプロの役者には出来ないよね。
っていうのは製作側、作者側の視点ですよね。
例えば書籍なんかも著者の前作とか読んでいれば著者の信念や心境の変化が分かったりして、「著者が一番伝えたいこと、感じて欲しいこと」が伝わってくると思います。
そういうのを取り入れると厚みのある書評が書けるんじゃないかなあと。
書評とかスゲー苦手だけどこれはためになったという話。