学生の読書離れに関する記事を見たんですよ。
おっさん達が集まるニュースピックスでは「ネットの普及、スマホの普及により情報を得る手段が増えたから読書離れが進んでいる」という意見が多かったです。
この記事だけだと以前はどれくらいの水準だったのか、どれくらい若者の読書離れが進んでいるのか全然分からないので少し調べたところ、大学生の1日の読書時間の水準は1985年で50分、95年で35分、2005年で29分というデータがありました。
で、今回2016年2月のNHKの記事によると1日の読書時間は平均で28.8分で、2005年くらいの水準から変わっていない印象を受けました。
2005年と言えばすでにインターネット加入率が7割を超え、本格的にネット社会に移っている時代ですからネットの影響で本を読む人が減ったという意見はまあ正しいようにも見えます。
全く読まない層がどれくらいいるのかは過去のデータを探すことはできませんでした。まあちゃんと探せばあると思うけど。
ただ、高校生までのデータではありますが、子供の読書離れなど無い、あるのは雑誌離れという記事を見る限りではネットのやスマホの普及によって大学生の読書離れが極端に進んでいるとは言い難いかなーと思ったりもします。
ちなみに85年の大学生の1日の平均読書時間の水準と10年後の95年の水準に15分もの差があるのはきっと95年は85年に比べて大学生の数が増えたからであって、それ以外の要因は少ないんじゃないかと思います。
要するに85年の大学生は本をたくさん読む層が中心だったけど、10年後は本を読まない層も大学に行くようになっただけ。
とまああんまり関係ない話は置いといて・・・
私達の世代(86年生まれです)だけじゃないと思うんですが、親や学校の先生、大人達から、
「本を読むと頭が良くなるから本をたくさん読んだ方が良い」
みたいなことを言われて育ってきたりしませんでしたか?
今もこの「本を読む人は頭が良い」、「頭が良くなるから本を読んだ方が良い」みたいな風習ってあるんですかね。
これって正しいんでしょうか。
と今日少し考えたりしたんですが、結論から言うと半分くらいは正しいかなーと思ったりしました。
本は素晴らしい
ギャルゲーだったかアニメだったか、何の作品だったか思い出せなくて残念なんですが、文学少女系のヒロインがこんなことを言っていたんですよ。
「本は素晴らしい。本を通じて自分以外の人の世界を歩くことが出来る。」
「人の人生は一度切りしかないから人は本という道具を生み出してたくさんの人生を知ることが出来た。本って素晴らしいよね。」
っていう感じのね。なんだったかなー。
昔はテレビと本しかなかった
私が子どもの頃はまだインターネットなんてものはなくて、小学校高学年くらいにやっと携帯電話やインターネットらしいものが普及し始めてくるんだけど。
とにかく子どもの頃って自分の世界は自分の周りだけで、外の世界を知る手段はテレビと本しかなかったんですよね。
私は子どもの頃、テレビが大好きだったわけではないんですがビートたけしの『世界まる見え』とか『アンビリーバボー』みたいな海外の出来事を取り入れた番組が好きだったんですよ。
本を読まなかった私はこういう海外の情報を知る手段はテレビしかなくて、毎週結構楽しみにしていました。
ちなみに私が子どもの頃に本を読まなかったのは完全に食わず嫌いのようなもので、本がおもしろいものということを知らなかったからです。
家に漫画はあっても書籍と呼べるものが一切なかったので子どもの頃は「本=国語の教科書」くらいに思っていて、何が楽しくて本なんか読んでいるんだろうと不思議に思っていました。高校出るまでそう思っていましたよ。
本を読むと知らない世界を知ることが出来る
学生時代に全く本を読まなかった私が本を読むようになったきっかけはマルチ商法の勧誘でした。
ネットワークビジネス、マルチ商法の従業者は全般的に今でもあんまり好きではありませんが、本の面白さを教えてくれたことには感謝しています。
マルチ商法の人達に読むように勧められたのは今なら思わず「出た~wwwwww」と言ってしまいそうになるようなあれ、ロバート・キヨサキの本で、これがきっかけで私は本を読むようになりました。
ロバートキヨサキの本が役に立ったかどうかは今になっても分かりませんが少なくとも考え方は変わったし何より、
「良い大学に入って良い会社に入社しても豊かになれるとは限らない」
という私が中学から思っていたことは正しかったんだと救われた気分になりました。
今思うとこの手のビジネス本って多分これが一番大事なんですよね。自分のやろうとしていることは間違いなからこのまま進もうっていう自信を持つことが大事。
今はインターネットがあるから自分のやろうとしていることや夢見ている場所にいる人、考え方が同じ人と繋がることは割と簡単に出来ますよね。
社長になりたいと思ったらtwitter使っている社長をフォローすればいいし、作家になりたいなら作家をフォローすればいい。
「自分はこう思う!」
って情報をSNSで発信していれば賛同してくれる人も出てきますしググって辿り着くこともありますよね。
インターネットを開けば有名な小説家や漫画家はみんなブログとかtwitterやっていたりするので彼らの考えや理念を知ることは本を読まなくても出来ます。
だけどネットがまだ普及していない時代、作家がどういう考えでこの作品を作ったのか、それを知る手段は限られていました。
情熱大陸のようなドキュメンタリー番組かその作家が書いたエッセイを読むか・・・
オモシロ可笑しい番組が中心のテレビにはそういったドキュメンタリー番組はあまりなく、本という手段はかなり重宝したんですよね。当時は。
ネットでも十分知ることが出来る
先述した通り、今はIT社長に限らず作家や漫画家、投資家から主婦までいろんな人が無料で情報発信をしている時代なので本を読まなくても自分以外の人生、世界を知ることが出来るんですよね。
昔は本を読まない人は自分の周囲のこと以外はテレビでしか情報を得ることが出来ないのできっとに現代に比べて無知な人が多かったはずです。
だけど今はネットで情報を得ていれば本を読まなくとも多大な知識を蓄えることが出来る。
だから「本を読むと頭が良くなるから本を読みなさい」という意見に対して、
「ネットで情報収集しているから本は読まなくても頭が良くなるでしょ」という意見はある程度正しいと思うんですよね。
本に書いてあることをネットで読んでいると思えば同じことじゃないですか。
それでも本は素晴らしいと思う
私は20歳の時に本の面白さを知ってそこから2~3年間くらい毎日のようにたくさん本を読みました。
だけどバイトを掛け持ちするようになってから結構忙しくなり、そこから去年仕事を辞めるまであまり本を読んでいませんでした。読んでも年間5冊程度くらい。
だけど去年仕事を辞めてから割と時間が取れるようになったので再び本をよく読むようになったんですが、やっぱり本って素晴らしいですね。
なんというかネットにはない面白さがあります。
私はビジネス書コーナーに並んでいる本を読むことが多いんですが、「営業術」や「マーケティング法」みたいなハウツー系の本よりはどちらかというと何の役にも立ちそうもない経営者らの自叙伝とかエッセイのような本を読む方が好きなんですよ。
自叙伝って面白いんですよ。なんというか本当に他人の人生を知ることが出来て世界が拡がります。
私が思う本の魅力ってネットに載ってない貴重な情報というよりネットにさえ載せる必要のないどうでもいい細かい情報だと思うんですよ。
例えば最近読んだ本で・・・オックスフォード大学に留学した著者が図書館で司書に無視されて並んでいる後ろの人に「pleaseを付けなさい」と言われたとか。
どうでもいい情報なんだけどそういうどうでもいい情報が集まることで自分の知らない地域や集団の慣習や特徴を掴むことが出来る。
文章を書くことを仕事をしている私としては何かを説明する時にそういうどうでもいい情報が説得力に役立つことがあったりするんですよね。
まあ為になるとかならないとか、そんなこと関係なくネットとは違った面白さがあるから本を読むって楽しいです。本は嗜好品ですね。
駄文をまとめただけの読む価値のない本も多いですが・・・
これもまた駄文だけど・・・笑