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カツオ人間に学ぶコンテンツのあり方とソーシャルメディアでの生き残り方

2016 3/22
カツオ人間に学ぶコンテンツのあり方とソーシャルメディアでの生き残り方

カツオ人間、写真のクオリティーが高くて、「ゆるく」ない

huffingtonpostに掲載された記事のトレースです。

くまモン、ふなっしー、バリィさん、せんとくんにひこにゃん・・・だいたいは見たことあるけど興味はありませんしゆるキャラの良さもわかりません。
なのでゆるキャラに関してはガチ押しのウザさは感じても良さは少しも感じていませんでした。

高知発のご当地キャラ、「カツオ人間 | Facebook」に対しても同じ気持ちでしたが今回この記事、

「ゆるキャラグランプリには出ません」ご当地キャラ界の異端児「カツオ人間」の心意気を読んで気持ちが一変しました。カツオ人間2

 

 

facebookで大人気のカツオ人間の正体

カツオ人間はfacebookで大人気です。検索するとwikiよりfacebookページが上位表示されます。
ページ「いいね!」数約2万人、投稿にも毎回1000~3000「いいね!」がつきます。
メディアガチ押しの「ふなっしー」が約3万、「ひこにゃん」が約4万人なのでやや劣るものの全国的に人気があるキャラクターと言えます。
ちなみにホリエモンこと堀江貴文さんのページはページ「いいね!」数は不明ですが投稿に対する「いいね!」は約1000前後でした。

facebookページの人気の秘訣は「写真にある」と局長(カツオ人間仕掛け人:小笠原慶二さん。)はいいます。

【記事抜粋】Facebookって写真のあるなしでまったく反応が違うんです。「カツオ人間が日常の中にいる、(中略)普通に飲み屋に行ってるとか、二日酔いになってるとか、知ってるところにいる、っていうのがすごく喜ばれます。

でも、どこに来た、というのははっきり言わない。必ず、1つ2つ3つくらいは、見てる人が語れる、コメントが書けることを残すんです。」

局長もおっしゃっているようにfacebookでは写真があるとないとで反応がまるで違います。

その大きな理由の一つにfacebookはLINEやtwitterと違い会話をするためのツールではないからです。

「今日は○○に来ています。」や「今○○を食べています」という投稿が多くその殆どに写真が掲載されています。facebookでは「ページ」や「友達のタグ付け」等それに適した機能が豊富です。
そのため写真のない投稿は見逃しやすくスルーされやすいです。

「カツオ人間が日常の中にいる」

facebookユーザーは遠く離れた華やかな世界よりより近いリアルな情報を好みます。
芸能ニュースよりも友達が食べに行ったカフェの情報のほうが好まれるんです。現に私の投稿にも話題の記事の外部サイトリンクよりも「今日は~に行ってきました。」のような記事の方が圧倒的に反響があります。

「遠く離れた華やかな世界」はテレビや他のインターネットサイトにいくらでもあるのでよりローカルな情報を得られることがfacebookの魅力なのかもしれません。

「どこに来た、というのははっきり言わない。」

こうすることで「宣伝乙」と思わせない、と同時にカツオ人間、もとい中の人を含む関係者が個人的に好きだから行ったという風に見える(多分実際そうなのだろう)という効果もあり好感が持てます。
逆に「○○に来ました!」といって宣伝ばかりの美味くもない飲食店を褒めていたらヤラセ感丸出しでファンはつきません。

目次

「ゆるキャラ」ブームと関係ないところから生まれ、自ら「ゆるキャラ」ではないとおっしゃっている。ではなぜ、「キャラクター」だったのか

 

【記事抜粋】(お酒)飲んじゃう理由なんて、ないんですよ。全然、ロジカルじゃないんです。よく考えたらバカバカしいことなんです。多少のストレス解消にはなるでしょうけども、二日酔いとか身体にはポジティブには働いてないし(中略)でも、飲んじゃうんですよね。

こういう、「理由がないけど心が動いてしまうもの」って他にないかな、って考えてたんですよ。
たとえば三軒茶屋(東京都世田谷区)の西友に行った時に、茨城のピーマンが5個100円、高知のピーマンが5個100円。同じ5個100円で売ってたら、絶対に、高知のピーマンを買うんですよ。

「なんで高知のほう買ったの?」って訊かれたら、それはもう、「だって俺、高知生まれだもん」ってことに尽きるんですね。クオリティは? とか、1個あたりのグラムは? とか、そこにまったく合理的なロジックってないんです。時間に基づくノスタルジーと、場所に基づくローカル。この2つは圧倒的に強い。

現代はそこら中物で溢れています。そして多くの業界で技術、コンテンツが煮詰まっており差別化を図るのが難しくなっています。

カツオ人間は「時間に基づくノスタルジーと、場所に基づくローカル」差別化を図っています。記事の後半部分でも触れていますがカツオ人間は地元の学校に度々訪れています。

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その殆どが生徒数人との写真、フラッと立ち寄って記念撮影といった感じで自然さがとてもいい味出しています。
それを見た卒業生は故郷を懐かしむのことと思います。そしてその懐かしさを届けてくれた「カツオ人間」のファンになる人も多いと思います。

「カツオ人間」はノスタルジーという付加価値を生み出し、そしてそれは田舎ならではの価値ともいえます。
技術が煮詰まった現代で生き抜くコンテンツには付加価値が最も重要な役割を果たします。
狙ってやったのか、たまたまなのか、どちらにしてもこの局長すごいですね。

ノスタルジービジネス

ノスタルジー、ノスタルジアとは「故郷を懐かしむこと。」、「懐古」、「追憶」という意味があります。
大人なら誰しも「懐かしい」、「あの頃に戻りたい」と思って故郷を懐かしんだことがあるでしょう。過去を懐かしむのは心地いいです。

この「カツオ人間」を始め、ノスタルジー(故郷を懐かしむ気持ち)を与える商品、販売方法は数多く存在します。
例えば有野課長の「ゲームセンターCX」もその一つです。
現在ハイクオリティなゲームがたくさん存在する中、それほど大物でもないお笑い芸人がレトロゲームをやるだけの番組が大ヒットした理由はここ(ノスタルジー)にあると考えます。

ゆるキャラは2分で飽きられる

【記事抜粋】次は「2ショットいいですか?」――どうぞ――「カツオ人間だーふわふわだーかわいいー」で、2分で終わり。賞味期限は、たった2分。これじゃ、カツオ人間がかわいそうでしょ(笑)

人って、あまりにも異型なものに出会うと、日常に戻ろうとするんです。あっという間にカツオ人間が日常の世界に居着いてしまって、単なる置物になっちゃう。だから、イベントにはよほどのことがないと出しません。

流行、ブームにはいつか終わりが来ます。

しかし「あって当たり前」、「いて当たり前」の存在になれば人気、需要に終わりはありません。

現在ゆるキャラブームで数多くのゆるキャラがメディアに取り上げられているようです。その多くがたくさんの人に注目され、それに対する経済効果も期待できますがそれらは100%長続きしません。
局長の言葉通り「人はあまりにも異型なものに出会うと、日常に戻ろうとするんです。」
人は本能的に元に戻ろうとします。異常な状態を長続きすることを望みません。

「かわいい」、「すごく好き」、「持っててうれしい」は精神的に平常な状態ではありませんので長続きしません。

一方、「あって当たり前」、「ないと不安」、「持っていないと違和感を感じる」そんな存在になればその存在の需要が無くなることは無いでしょう。
漫画で例えるならジャンプの「こち亀」ですね。

カツオ人間が県外で営業活動をしない理由

【記事抜粋】冬が明ける頃に出てくる、高知の文旦(ぶんたん)っていう黄色くて、おっきい果物があるんですけど、美味しいんです。でも知らないと、「グレープフルーツと何が違うの?」ってなるんですね。で、私はグレープフルーツと文旦の糖分の違いから話すんです。
もちろん、味のこともしゃべれる。高知の人ならしゃべれるはずなんです。
たとえば、「文旦買って」って、高知と関係ない人に突然チラシ送っても、買わないですよね。でも、私と会ったら終わり。一箱買わされます。「絶対うまいんだから、食べてみてよ!」って(笑要は、カツオ人間の役割は、高知出身だけどよそに行っちゃった人の、「俺、高知出身なんだよねー」っていうローカルのアイデンティティーをかきむしることなんです。それができれば、その人は強烈な高知の宣伝マンになってくれるんですよ。

 

ソーシャルメディアでの拡散の理想型ですね。
直接売り込まなくても周りが勝手に宣伝してくれる。

1.高知出身の人による「カツオ人間」を通しての話題づくり。
2.高知に観光に来たことある県外の人がfacebookで「カツオ人間」を見て高知のことを話してくれる。

こうやって自然に地元、高知の情報を発信するきっかけ作りとなることを目指しているのが「カツオ人間」なんですね。
ソーシャルメディア社会にはこういった「カツオ人間」のような存在が大きな力を発揮すると予想します。

「カツオ人間」のように自然で流行に流されないコンテンツ作りを目指したいですね^^

この記事を書いた人

ブログ及びアフィリエイトアフィリエイト収入で生活してます。高知から千葉に移住しました。

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