こんにちは。
高知県の高知市内に住むエルモだった人です。
最近地方に住むと生活コストが下がるとか下がらないとか、そんな話題があったので地方に住んでいる身として少し意見がしたくなりました。
断言します。
地方に住んでも生活コストが下がるなんてことはありません。
地方に移住して生活コストが下がったという人は単に質素な生活をするようになっただけです。
安くなるのはせいぜい家賃程度
東京と高知で大きく価格に差があるのは多分家賃くらいです。
それ以外で日常的に購入するもの、支払うもので大きな価格差があるものは多分ほとんどありません。
高知に来てものが安く買えるなら今頃高知にネット通販の会社がわんさかあることでしょう。
高知にはヤマダ電機やケーズ電機、ユニクロ、GU、しまむらがあって、吉野家、すき家、ガストがあるわけですから日常的に購入する家電や生活消耗品などの値段は多分都会と変わりません。
東京と比べて安くなるのはせいぜい家賃くらいだと思います。というか東京及び関東は異常なまでに家賃が高いので、
「東京に比べて高知が安い」
というよりは、
「全国的に関東地方が異常に高い」
と言った方が正しいです。
なので東京に住んでいる人は高知のようなところに行かなくても大阪や愛知に行けば多分家賃が下がります。
地方は物価が安いと言っている移住者について
移住者の中にたまに、
「高知は物価が安い」
と言っている人がいます。
ブログなんかにも、
「こんなにたくさん食べれて○○円!高知のカフェはとても安いですね~」
とか言ってる人を見かけたりします。
これは決して高知の物価が安くてそのカフェの価格が安いわけではありません。
単純に安くてたくさん食べられる店ばかり行くようになっただけです。
都会に住んでいた時はチェーン展開しているファミレスやカフェばかり行っていただけでしょう。
スターバックスよりも安くたくさん食べられる飲食店はきっと全国どこにでもあると思います。
地方移住者は高知を堪能しようと地元で評判の良い店を回ります。高知に移住してきたブロガーさんが紹介する飲食店は私の知らないところばかりです。
車も別に必要ないという意見について
という記事をみました。
そこで地方で車を所有しない代替案なるものを見つけました。
上記記事から一部引用
- 仕事→「在宅ワーク」として家で働く
- 食材→ネットスーパー・通販を利用する
- 支払い→インターネットバンキング、口座振替
急いでやらなくてもいいもの(事前にわかっているもの)
- 遊びに行く→バス
- 通院→バス、タクシー
確かにこの手段を使えば車は必要なくなります。
しかしこれの問題は「選べない」ということ。
車を持たないことで「在宅ワーク」しか選べない。
食材をネットで購入することで「ネットで買えるもの」しか選べない。
支払いをネットバンキングのみにすることで「地方銀行の利用」を選べない。
遊びに行くのをバスのみにすることで「移動する時間」を選べない。
これは単純に車という便利な道具を捨てて自由を捨てている他ありません。
「地方では車がないと生活が出来ない」
というのは厳密に言えば誤りがあるかもしれません。
しかしそれは、
「ネットがなくても生活できる」
「スマホがなくても生活できる」
「電気がなくても生活できる」
と言っているのと同じようなもので、地方で車を所有しないのは単純に生活コストを下げることと引き換えに豊かさを捨てているだけです。
生活コストを落として貧しくなっているだけ
確かに都会と比べ地方は家賃が安いです。
しかしそれにはちゃんと理由があり、特に立地が不便という理由があるからです。
私が住む高知から東京ディズニーランドに行こうとすると往復の飛行機代だけで一人で通常だいたいこれくらいかかります。
ツアーだともっと安くいけます。
バスで一人2万くらい。飛行機で3.5万前後。かなり安く感じますが、1泊2日、食事なしで2人で7万くらい掛かるのでとても割高に感じます。
もちろん「ディズニーランドなんて行かない」という人はいいんです。
高知からは沖縄に行くには高松、北海道に行くには羽田に行かなければ行けませんがこれも別に行かなければ全く不便ではありません。
しかし家賃の安い地方に住むことで代わりにコストが高くなる部分が出てくるわけです。
「高知は東京に行くコストが高いからディズニーランドに行かない。香川県にあるレオマワールドで良い。」
というのは豊かになっているとは言えません。
服を買わなくなって生活コストが下がったという意見
かなり前に高知に移住した女性の方で、
「見栄を張る必要がないから服を買わなくなってお金が掛からなくなった」
というようなことをブログで書いているのを見かけました。
これもまさに地方に移住して生活コストが下がったのではなく、単純に自分が質素な生活になっただけ。言い換えるなら地方に来て貧乏な暮らしになっただけです。
東京にも見栄を張らず安い服ばかり着ている人はたくさんいるでしょう。
地方に移住することで自分のライフスタイルが変わっただけで決して地方の生活コストが安いわけではありません。
地方移住は選択肢が狭まる
地方と都会の差はものが「あるかないか」、「多いか少ないか」です。
都会には学校や図書館、美術館等が多く地方には少ないです。
都会には新幹線がありますが、高知にはありません。
たくさんものが溢れる東京では様々なものを選ぶことが出来ます。
例えば学校なんかわかりやすいですよね。
東京には医学部のある大学は複数ありますが高知には高知大学しかありません。
高校も、専門学校も東京にあって高知にない科目がたくさん存在するでしょう。
学校を卒業した私達が近くの学校に希望する科目がなくて困るということはありませんが、子どもは別です。
(地方に住む限り)限られた選択肢の中からでしか選ぶことはできません。
息子が、娘が東京にある大学を希望した時、「高知の方が生活コストが掛からないから高知にある学校へ行け」、あるいは「大学なんて無駄だから行くな」と言えるのでしょうか。
そんな家族、とても豊かな家庭だとは思えません。